学会案内

会長挨拶

島根県臨床細胞学会ホームページ開設にあたり

島根県臨床細胞学会 会長
京哲 (島根大学医学部産科婦人科)

2019年4月より島根県臨床細胞学会会長に就任させていただき、早2年が経過しました。平素より本学会に多大なるご協力を頂きまして厚く御礼申し上げます。

さて、2020年初頭より続くコロナ禍において、多くの学会活動が制限されてきました。現地開催のリアル学会は2021年8月現在、ほとんど姿を消し、多くはWEB開催となっております。島根県臨床細胞学会も例に漏れず、2020年度の学術集会が中止となり、2021年度もWEB開催となりました。その際、将来を見越してWEBでの演題登録やオンデマンド形式での聴講、抄録集のWEB化などを考えざるを得なくなり、今回学会のホームページを開設する運びとなりました。しかし、ホームページを開設したことにより、様々なメリットを会員が享受でき、さらには本会からのメッセージを多くの皆様に届けることが出来るようになったと考えます。また学会活動がより一層活発化し、島根県における細胞診断学のレベルアップに繋がることを期待しております。

一方、本会は、専ら細胞診の学会と誤解されていることもあるようですが、診断のみならず、細胞を対象とした学問を広く取り扱う学会で、臨床的な視点で細胞生物学を突き詰めることが究極の目的です。本HPの開設にあたり、島根県の臨床細胞学を学問体系として進化させてゆきたいと考えます。特に最近はゲノム医療が医療の世界を席捲し、主観的要素の入る形態診断に対して客観的なゲノム情報に基づく新たな診断,治療の枠組みが形成さされつつあります。しかし両者は各々独立したものではありません。ゲノムの変化が形態と密接にリンクしていることが報告され、そのメカニズムに関する論文も見かけるようになりました。逆に形態からゲノムの異常が推定されることもしばしばあります。すなわち、ゲノムと形態は表裏一体であり、ゲノムの理解には形態学を、形態の理解にはゲノム情報を知る必要があると思います。このような観点から、形態を専門としている我々もゲノム情報に精通して細胞生物学を深める姿勢が望まれます。キャッチフレーズとしては「ゲノム研究は形態学を意識し、形態学はゲノムを意識して」を掲げたいと思います。

本会は次代を担う若手の育成に重要な役割を担っております。若手の会員におかれましては、細胞診に留まらず、広くゲノム情報に基づいた細胞生物学に関する研究、発表と熱い議論を歓迎致します。また細胞診断学に精通されたベテランの会員各位におかれましては、本HPをぜひご活用いただきたく、特に学会報告や教育セミナーなどにおいて、細胞像や組織像を高解像度のカラーでWEB上に提示し、それをオンデマンドで見るのは,教育的視点からも計り知れない効果があります。この機会により一層教育活動、研究発表に力を入れていただければ幸いです。

令和3年8月26日
出雲市にて

役員名簿

会長
京 哲
理事
荒木 亜寿香 市山 友子 入江 隆
大沼 秀行 金島 新一 下村 龍一
長﨑 真琴 三浦 弘資 村田 陽子
吉田 学    
幹事
荒木 剛 石川 雅子 藤脇 律人
松原 真奈美    
会計監査
岩橋 輝明 上垣 真由子